赤外線画像の市場規模、2025年には83億米ドル到達見込み 国際武器取引による厳しい規制が抑制要因に
赤外線画像の市場規模、2025年には83億米ドル到達見込み 国際武器取引による厳しい規制が抑制要因に【写真詳細】
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「赤外線画像の世界市場・COVID-19の影響 (~2025年):技術 (冷却式・非冷却式)・波長 (近赤外線・短波赤外線・中波赤外線・長波赤外線)・用途・産業・地域別」 (MarketsandMarkets) の販売を3月1日より開始いたしました。
赤外線画像の市場規模は、2020年の58億米ドルからCAGR7.6%で成長し、2025年には83億米ドルに達すると予測されています。同市場は、主に非産業分野におけるセキュリティ・監視用途での採用率の高さから、過去数年間で大幅な成長を遂げています。また、アジア太平洋地域での赤外線画像カメラの需要の増加とSWIR(短波赤外線)カメラの普及率の上昇は、今後数年間で赤外線画像市場を大きく成長させると考えられます。
COVID-19の赤外線画像市場への影響
世界はCOVID-19パンデミックによる経済危機に直面しています。2020年と2021年の赤外線画像市場も他の市場同様、成長率が低下しています。世界各国で関連する主要な業種のほとんどが現在まで活動していなかったため、赤外線画像製品の需要にマイナスの影響を与えています。また、COVID-19パンデミックは市場のサプライチェーンを混乱させ、赤外線画像ソリューションの製造、流通、設置に支障をきたしています。
COVID-19パンデミックは、短期的には赤外線画像市場の成長にマイナスの影響を与えると予想されます。一方で、体温測定用の赤外線画像製品の採用が増加しています。ここ数ヶ月の間に、赤外線画像市場で事業を展開している多くの企業が、このアプリケーション向けの製品を発売しています。
牽引要因:セキュリティ・監視用途における高い採用率
赤外線カメラは、霧、霞、煙、水蒸気などの過酷な環境でも使用できるため、セキュリティと監視アプリケーションに広く採用されています。特に軍事・防衛分野に適しており、人や物の動きを監視し、化学・生物・放射線・核防衛(CBRNE)の検出に使用されています。赤外線画像市場で事業を展開している企業は、軍事・防衛分野向けの赤外線製品の開発や供給で多くの契約を受けています。また、赤外線カメラは、産業ビルや商業ビルのセキュリティや監視目的にも広く使用されています。特に温度計測に適しており、計測者と被写体との距離を安全に保つことができ、計測する人手が少なくて済みます。
抑制要因:厳しい輸出入規制
米国国務省が実施する国際武器取引規制(ITAR)では、米国内での制限付き赤外線カメラの販売には、商品管轄権の承認が必要とされています。赤外線カメラメーカーは、輸出許可を得ずに、米国内外を問わず、人や企業と製品を交換することはできず、規制に違反した場合には罰則を受けることになります。また、これらの製品を販売するためには、メーカーや流通業者による商品管轄権の承認が必要となり、赤外線カメラの売買に関わる複雑さとコストが増大しています。
この規制は、米国に拠点を置く赤外線カメラメーカーが国外に進出することを制限しています。また、米国外に拠点を置く赤外線カメラメーカーは、米国内に簡単に進出することができません。Sensors Unlimited社(米国)、Princeton Infrared Technologies社(米国)、FLIR Systems社(米国)、Xenics社(ベルギー)などの赤外線カメラメーカーの中には、米国内で赤外線カメラの一部または全部を販売する承認を受けている企業もあります。しかし、多くのメーカーや販売店が承認を得るためのプロセスを踏まなければならないため、赤外線画像市場の成長が制限されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/mama977650-infrared-imaging-market-covid-impact-analysis-by.html
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