2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷量を発表

日時: 2024年04月17日 09:00

発表:Counterpoint Research HK Limited

2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷量を発表

2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷量を発表【写真詳細】

2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷量を発表


カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷は前年比19%減少したという調査結果を含むGlobal XR (AR & VR Headsets) Model Trackerによる最新調査を発表致しました。

2023年度拡張現実(XR)用ヘッドセットグローバル市場における出荷が前年比19%減少した背景には、これという新しいXRヘッドセットが発売されず、ゲームの他に魅力的で使いたくなるようなユースケースが出てこなかったことが理由として挙げられます。それでも、待望のSony PlayStation VR2 (PSVR2)とMeta Quest 3の発売があったおかげで、それがなければもっと急峻な出荷減となった2023年の数字が多少は緩和されました。

MetaはXRヘッドセットグローバル市場における出荷全体の59%を2023年に占めました。昨年の77%からシェアを落とした理由は、主にSonyの最新機種PSVR2との競争が激しくなったことがあります。Metaの2023年の出荷は前年比で38%減少しましたが、それでも2023年もXR市場をMetaが支配していることは変わりません。特に、Metaは既存のQuest 2の戦略的値下げを通年で実施したため、特に歳末シーズンにおいて価格に敏感な消費者にとって、これが魅力的な選択肢となりました。これによって、Metaは2023年第4四半期にQuest 3が発売されるまでの間も首位を守ることができました。

図1: XRヘッドセットグローバル市場における年間出荷量・2023年と2022年の比較


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMzU2NTQjNzc3NDVfYWZqS25nTWhIcC5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Global XR(AR&VR Headsets) Model Tracker, Q4 2023

10月に発売されたMetaのQuest3は、2023年第4四半期におけるXRヘッドセットのベストセラーとなり、出荷の半分以上を占めました。前身機種から3年を経て発売されたQuest 3には、これまでビジネス向けグレードのQuest Proで搭載されていたような混合現実(MR)を可能とする、大幅に改善されたビデオパススルーを始めとした主要な改良が施されています。

それでも、Quest 3が発売された四半期の出荷はQuest 2の時と比較して33%少ないものでした。Quest 3の価格が高いことに加え、Quest 2も市場に出回っていること、そして他のヘッドセットとの競合とが、最新機種の出荷減に繋がりました。

図2: XRヘッドセットグローバル市場における出荷シェア・ブランド別・2023年と2022年の比較


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMzU2NTQjNzc3NDVfUXR3R01wY1d1Zy5qcGc.jpg ]
出典: カウンターポイント社Global XR(AR&VR Headsets) Model Tracker, Q4 2023

PSVR2の市場投入を成功させたSonyの2023年は好業績で、XR市場において第2位を確保しました。PSVR2が発売された四半期の販売は、前身機である第一世代PSVRを上回りましたが、その水準は、発売前の期待を下回りました。別次元の没入体験をもたらす最新技術を搭載しているにも関わらず、PSVR2は価格面とPSVR版のゲームへのバックワードコンパティビリティがないことに課題を抱えています。

今のところ、ゲームが唯一の明確なユースケースであり、XRヘッドセットのほとんどがゲーム用です。しかし、現状の技術では、VR酔い等の課題が解決できておらず、加えて、かさばる形状や、知覚できるレベルの遅延が本格的なゲームにおけるXRの採用の障害になっています。ゲーム開発者も、どうすればヘッドセットを最大限活用できるか、まだ模索中です。Picoなど一部のメーカーは、ユースケースとしてストリーミングに軸足を置こうと試みていますが、コンテンツ制作費や必要スキルが高い参入障壁となり、本格的なストリーミング用途の初期段階でさえ進みが遅い状態です。

それでも、XRがさらに普及するためには、使いたくなるようなコンテンツの開拓が鍵であることに変わりはありません。大手スマートフォンメーカーの参入が、今後のコンテンツ制作を加速する可能性があり、特に、AppleのVision Proが参戦するとコンテンツやユースケースの開発に大きな刺激になる可能性があり、同時に他社の参入も呼び込むことも考えられます。こうしたことから、市場の成長は緩慢ではあっても、メーカー各社は「バスに乗り遅れない」ために、参入することになると考えられます。その理由は、多くの人がスマートフォンの次はXRとみていることにあります。


本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/research_portal/xr-ar-vr-headsets-quarterly-model-tracker-q1-2020-q4-2023/

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年1月1日~2023年12月31日)

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Research HKはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

プレスリリース情報提供元:ValuePress!

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