NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、IOWN(R)を活用し世界で初めて3DCADを用いた遠隔共同作業の実証に成功

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NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)とダッソー・システムズ株式会社(Euronext Paris:FR0014003TT8、DSY.PA、以下 ダッソー・システムズ)は、IOWN(R) APN※1を活用し、世界で初めて製品開発におけるリアルタイムな3DCADの遠隔共同作業(以下 本実証)に成功しました。本実証は、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォーム※2を活用した設計業務において、3D設計やPLM※3ソリューションに関するデータを高速かつ低遅延に同期することにより、離れた場所でもまるで同じ場所にいるかのようなスムーズな共同作業を実現しました。
これにより、製造業界を中心にこの成果を活かし、生産性向上を図るとともに、今後はIOWN(R) APNをはじめとしたAI-Centric ICTプラットフォーム構想※4とダッソー・システムズの技術を融合させ、IOWN(R)構想の一つである4Dデジタル基盤(R)※5の実現を通じて産業全体のイノベーションにつなげていきます。

1.背景
近年、製造業界などでは3DCAD※6を用いた3D設計が一般的になり、数GBから数十GBにおよぶ大容量データを扱うことが不可欠です。また、このような3D設計に関するデータは圧縮することが難しく、3DCADで設計された大容量の3Dモデルを遠隔地の作業者間でリアルタイムに共有しながら共同作業を行うことは従来のネットワークでは困難でした。その結果、設計レビューを実施するためには、関係者が対面で集まる必要があり、移動コストや時間が課題となっていました。
このような課題を踏まえ、NTTドコモビジネスとダッソー・システムズは3DCADを用いた設計業務において、IOWN(R) APNを活用し、データを非圧縮かつ低遅延で送信することで、従来は困難であったタイムラグのない3DモデルやPLMソリューションを使ったスムーズな遠隔共同作業が可能であることを確認しました。

2.本実証について
本実証では、武蔵野市にある東京第11データセンターと大手町プレイスにあるOPEN HUB Park※7をIOWN(R) APNで接続し、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームを用いて遠隔共同編集を行いました。武蔵野市側には、3DCADの同一モデルをリアルタイムに共有・編集できる3DEXPERIENCEプラットフォームのデスクトップアプリケーションと3DCADデータを格納する3DEXPERIENCEプラットフォームのサーバー、大手町プレイス側に作業者のPCとして3DEXPERIENCEプラットフォームのデスクトップアプリケーションを設置しました。この2拠点間で、数千から数万個におよぶ大容量、高精細かつ複数種類の3DCADデータやPLMデータをサーバーからダウンロードし、3DCADを用いた共同編集の検証を行いました。
その結果、同一ビル内でサーバーと作業者のPCを接続した場合と比較し、ほぼ同等のパフォーマンスで共同作業が行えることを確認しました。また、3DCADにて編集可能な環境が同期される時間を計測したところ、従来のインターネット経由と比べ、速度が最大約500%向上し、ほぼ遅延のないスムーズなリアルタイム同期作業が可能であることを確認できました。これにより、まるで同じ空間で作業しているかのようなスムーズな共同作業が可能になりました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/561598/img_561598_1.png
<本実証のイメージ>

3.各社の役割
NTTドコモビジネス:
・本実証におけるインフラ環境の構築・提供
・東京第11データセンターとOPEN HUB Park間をつなぐIOWN(R) APNの提供
・3DCADサーバーとクライアント機能を担うハードウェア機器の提供

ダッソー・システムズ:
・3DCADを活用した3D設計環境の構築
・3DCADサーバーおよびクライアントのソフトウェア構築・設定
・IOWN(R) APNの接続におけるソフトウェアの有効性検証

4.今後の展開
本実証は製造業界を起点としていますが、今後はIOWN(R)構想が実現する多様なユースケースへの展開を視野に入れ、産業全体のイノベーションを促進する取り組みを共に加速していきます。加えて、ダッソー・システムズは、IOWN Global Forum※8への正式加入を通じて、IOWN(R)の4Dデジタル基盤(R)の多分野展開に向けた協業体制を強化します。さらに、ダッソー・システムズが「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)※9」のもと、IOWN(R) APNを含めAI-Centric ICTプラットフォームを活用することで、両社は知識とノウハウの基盤を共有し、データセンター、IoT、GPUなどを組み合わせ、あらゆる産業のデジタルツインを支えるプラットフォームの実現をめざします。


※1:IOWN(R) APNとは、NTTが提唱するオールフォトニクスネットワーク(APN)の一環で、従来の電気信号ではなく光信号を用いて超低遅延かつ高速な通信を実現する次世代のネットワーク技術です。「IOWN(R)」はNTT株式会社の商標または登録商標です。
※2:3DEXPERIENCEプラットフォームとは、ダッソー・システムズの包括的なビジネスプラットフォームで、3D設計やシミュレーション、コラボレーション、製品ライフサイクルマネジメント(PLM)アプリケーションなどを統合し、企業のあらゆる部門にわたり一元的に支援するソリューションです。
※3:PLMとは、製品の企画段階から設計、製造、保守運用に至るまで、製品の全ライフサイクルを通じて情報を一元管理し、効率的に運用するための手法やシステムのことです。
※4:AI-Centric ICTプラットフォーム構想とは、企業がAIを活用して、生産性の抜本的改善、競争力強化やビジネスモデル変革を進めるAI時代に最適な次世代ICTプラットフォーム構想です。詳細は以下のニュースリリースをご確認ください。
ニュース 2025年6月10日:NTT Com、ゲットワークス、NTTPCが戦略的業務提携を締結
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0610_2.html
※5:4Dデジタル基盤(R)とは、NTTが提唱する技術で、人やモノの位置や時間に関するリアルタイムデータを統合し、都市インフラや交通など様々な分野での最適化や未来予測を可能にするプラットフォームです。 「4Dデジタル基盤(R)」はNTT株式会社の登録商標です。
※6:3DCADとは、三次元空間で設計を行うためのコンピューター支援設計ツールで、立体的なモデルを作成し、視覚化や検証、図面化などを効率的に行うことができます。
※7:OPEN HUB Parkとは、NTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイスです。先端テクノロジー体験環境や情報発信スタジオを備え、事業共創に向けたコミュニケーションを支援します。一般公開は行っておらず、招待制にて運営しています。
OPEN HUBについて: https://openhub.ntt.com/
※8:IOWN Global Forumとは、NTT、インテル、ソニーが共同で立ち上げた国際的な業界団体で、IOWN構想の実現をめざし、光を活用した次世代ネットワーク技術の開発やユースケースの議論を行うためのフォーラムです。
※9:3D UNIV+RSES(3Dユニバース)とは、ダッソー・システムズが今年2月に発表した、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で複数の生成AIを統合しIPライフサイクル管理を実現する新たな体制です。「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)」により、各業界のお客様は自社の高品質な3Dデザイン、バーチャルツイン、PLMデータなどを新たなバーチャル環境で最大限に活用でき、ビジネス変革を推進することができます。

プレスリリース情報提供元:@Press

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