ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移

日時: 2022年03月22日 20:00

発表:OBI MEDIA PTE LTD

ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移

ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移【写真詳細】

ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移
ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移


シンガポールにてFXソリューションを手がける、OBI MEDIA PTE LTDは、関連サイト、FXplus(https://www.fxplus.com)にて実施された、2022年1月1日〜2022年3月11日の期間を対象にした、「原油(WTIOIL)」と「ゴールド(GOLD)」の市場動向をまとめたデータを公開した。

2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで地政学的リスクが高まり、避難先としてゴールドのボラティリティと取引量が顕著に増加した。エネルギー資源である原油も紛争による供給混乱への懸念から同様の動きを見せた。今回の調査では、現在のファンダメンタルズとして市場の関心度が最も高い、ロシアによるウクライナ侵攻とゴールド・原油市場の動向を見ていきたい。


原油(WTIOIL)とゴールド(GOLD)の取引量とボラティリティの推移


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2022年1月からのゴールドと原油の取引量の推移をみると、ロシアによるウクライナ東部への軍事作戦が始まった2月24日に、両者の取引量が顕著に増加したことがわかる。特にゴールドに関しては、直近数日間の2倍程度となる取引量にまで増大していることから、ウクライナ侵攻を受け、リスクオフを意識した動きが加速したと予想される。原油の取引量は、3月に入り急激に増加するも、ボラティリティのピーク時には著しく低下している。

原油とゴールドのボラティリティと価格の推移


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ゴールドと原油のボラティリティと価格推移を見ると、ウクライナへの軍事作戦が実施された2月24日当日に、原油は高値を更新し、直近のボラティリティを急激に上回っていることがわかる。


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ボラティリティの急激な拡大と共に、実際の値動きに関しても短期的な急騰相場であった。原油の日足チャートでは、2月24日は上髭の長い陽線を付け、ロウソク足の実体部分が小さいことから、寄付きにかけて売りも大きく、高値と終値の値幅が大きく開いた。
原油のボラティリティは、2月24日以降も上昇トレンドを描くように立て続けに上昇しているが、各国からの経済制裁が日を経るごとに厳しさを増し、ロシア産の原油が輸入規制となったことで原油相場への関心も一層高まったのではないかと予想される。
原油価格も連日高値を更新し、3月8日には124円の価格にまで到達した。ボラティリティ上昇のピークは3月9日であるが、価格上昇のピークは3月8日であり、3月9日からは下落局面を迎えた。ファンダメンタルズ的な要因でも、長期的に見れば原油の供給は大きな問題とならないと楽観的な見方がされているようだ。


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ゴールドに関しても、2月24日に原油と同様に急激なボラティリティの拡大と価格の急騰を引き起こした。直近数日間のボラティリティのおおよそ2.5倍まで一時拡大し、価格は1,903ドルにまで上昇している。


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ただし、ゴールドも原油と同様に価格上昇は一時的なものとなり、寄付きにかけて大きく売られる展開となった。2月24日のゴールド急騰は、最終的に昨年6月につけた水準にまで戻る形に落ち着いている。
2月24日以降では、上昇傾向を示した原油のボラティリティに対し、ゴールドのボラティリティは2月24日のボラティリティを超えず、下降傾向が見られた。3月3日に同期間のボラティリティ下限に達し、3月8日に掛けて大きくボラティリティを上昇させていることがわかる。また、ゴールドに関しては、ボラティリティと価格の変動に相関関係が見られた。3月9日に高値を付けて以降、ボラティリティも同時に引き下げる動きが確認できる。

 原油に関しては、ボラティリティの変化と価格推移に若干のズレが生じていたが、ゴールドに関しては価格とボラティリティの推移がほぼ連動して推移している。


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原油とゴールドのボラティリティ推移が非常に似通っているが、同期間の価格推移に関しても高い相関関係が確認できた。2月24日から3月8日までのラインチャートを比較すると、3月2日から4日にかけて一時的に逆相関となった以外は、ほぼ完全な相関関係を見せていた。ボラティリティと価格推移の連動性を見ると、ウクライナ侵攻を受け、市場参加者に原油とゴールドに強い関心が持たれている可能性が高いと言えるだろう。

総評

2月24日のウクライナ侵攻を受け、2月末から3月初旬の相場はボラティリティ・価格推移・取引量のいずれも大きな変化を見せた。原油とゴールドは、いずれもボラティリティを伴い、連日の高値更新を見せている。しかしながら、ウクライナ侵攻に関するファンダメンタルズから市場に必ずしも一貫した投資家心理とは言えず、下落方向に大きくボラティリティが開くこともあった。引き続き不安材料を見極めつつ、リスクオン・リスクオフの市場切り替えを敏感に察知していきたい。

■調査内容 
調査期間 : 2022年1月1日〜2022年3月11日
調査テーマ: ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油とゴールドのボラティリティ及び取引量の推移

■会社概要
商号       : OBI MEDIA PTE LTD
代表者      : Director 永山 要
所在地      : 83 Clemenceau Avenue, #15-01 UE Square, Singapore 239920
設立       : 2012年 1月
事業内容     : FXソリューション事業
URL       : https://obi.sg/
 

プレスリリース情報提供元:ValuePress!

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